自律神経機能不全を伴う神経症

(1):広場恐怖症

 

自律神経機能不全

(動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなど様々な症状)

恐怖症性不安障害の含まれる神経症
 自律神経機能不全を伴う神経症(1):広場恐怖症

広場恐怖症
  パニック障害をともなうもの
  パニック障害をともなわないもの

 

 

■発症し易い状況
主として知らない人の中で症状は出現し易いので、出勤や外出も制限されやすく、日常生活や社会生活に著しい影響が出やすいです。休職や引きこもりに繋がり易い傾向に有ります。対人恐怖に近い精神的不安・緊張・恐怖とも思われます。
例えば、乗り物(電車・バス・飛行機)・人混み・ス―パ―やコンビニでのレジ待ち・買い物・美容室・歯医者さん・自宅から離れる時・時には自宅に一人で居る時にも(症状が起こった時に誰の助けも得られない予期不安)。

 

パニック障害は激しい恐怖または不安から数分の内に動悸や胸苦しさや息苦しさなどが強となり少なくとも数分間は持続し、倒れこんで人々の助けを借りたり、医療機関に救急搬送されたりしますけれど,呼吸循環器・脳神経の検査でも全く異常は認められないことが多いです。

でも患者さまは一度経験された恐怖の再発に常に怯え、転々と多くの医療機関を探し求める傾向に有ります。

 

 

■発症する症状

 

□自律神経機能不全症状
動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなど様々な症状

□精神状態に関する症状
気が遠くなり、頭がくらくらする感じ・物事に現実味が無い感じ(現実感喪失)、あるいは自分自身が遠く離れて「現実にここに居る感じがしない」(離人症)
自制が出来なくなる。気が狂いそうだ。あるいは気を失うという恐れ。
死ぬのではないかという恐怖感。

□全身的な症状
回避あるいは不安症状のために明らかに苦痛を感じ、またそれが過剰で不合理であると分かっていること。
症状は上記の予期不安から恐怖症的状況におかれたり、その状況を想定した時のみに限られること。

 

 

■治療法
対人恐怖や対人緊張と同様で効果的と思われます。

基本的には、お話とお薬の治療を行ないながら、患者さま自身から、ご自身は病気では無く“これからは、少しずつ積極的に行動して行ければいいんですよね!?”とサラリと次にくる 機会を待ちます。しかし、お話だけでは、理解されても直ぐには精神的不安・緊張・恐怖を克服するのはとても困難と思われます。数カ月でお薬の補助をされなくても自信を持って、楽しめるようになりますよ。

 

その機会を楽しみに受け入れられるように患者さま自身の“心のこだわり・不安・緊張・恐怖”から発症する自律神経機能不全への負の連鎖を断ち切るために、お薬を飲みながらでも“今まで出来なかった乗り物(電車・バス・飛行機)・人混み・ス―パ―やコンビニでのレジ待ち・買い物・美容室・歯医者さん・自宅から離れること・時には自宅に一人で居ることも、少しずつ出来るように成って来ましたよ!!”と患者さま自身から、“自分も行動すれば出来るんだ!!”という自信を獲得して成長されて行き、行動範囲が広がり、お薬からも卒業されることが、精神科医としての私の切なる願いですし、何物にも替えがたい思いです。

 

■お薬について
当院での、お薬は抗うつ剤(SSRI・SNRI)とは異なり、不安・緊張・恐怖を和らげ、もちろん副作用や依存性が少なく離脱し易く、数カ月で終了する予定で処方しております。
自律神経のバランスを整えるほんの少量のお薬と併用しますと自律神経機能不全症状の動悸・胸苦しさ・息苦しさ・発汗・吐き気・胃痛・腹痛・下痢・めまい・ふらつき・耳鳴り・赤面・瞼の痙攣・滑舌不良・手足のしびれ・手足の震え・全身のしびれ・頭痛・肩凝りなどに非常に効果的です。

川崎メンタルクリニック