2015.01.29更新

子育て不安

 

子育て不安は、夫の有無にかかわらず、母親が自分の乳幼児を育てる場合に情緒不安定となり、易怒性、感情失禁、不安、抑うつ気分、衝動性など経験と自信のなさからくる漠然とした不安定な精神的状態の総称といわれています。

 

概要

 

母親が乳幼児の育児に際して自信の無さや不安(ストレス)や困惑などを抱き、乳幼児への否定的な感情といった情緒・感情の変化から、衝動的な攻撃を伴うものまで、かなりの幅があります。これらは「育児ストレス」や「育児ノイローゼ」とも表現されますが、そのような病的な状態に至らなくても、もっと漠然とした不安や困惑なども子育て不安と思われます。

 

ただし、乳幼児の育児について、育児の事細かい方法や乳幼児の病気などで、一時的・瞬間的に不安や戸惑いを感じるようなものは、どの母親も経験することなので、子育て不安には含みません。子育て不安とされるものは、ストレスと感じる感情失禁、不安や困惑、抑うつ気分、衝動性が継続的に続くものとされています。また、出産の直後や産後2,3日から3週間くらいの時期、母親が情緒的に不安定になり涙もろくなったりする場合は、「マタ-ニティ・ブル―ズ」といわれ、子育て不安とは区別します。ただし、これが、そのまま改善しない場合、産後うつ病に移行することもあるといわれています。

 

夫が子育てに極めて非協力的な場合や父親が居ない場合(離婚、シングル・マザー)には、母親が子育て不安から産後うつ病になりやすいことも指摘されています。

 

背景・原因

 

●実母や義母と共に育児する、あるいは実母や義母の助言・援助の元に育児することが期待出来ない場合はとても多いです。

●望まない妊娠などで乳幼児に接する感情自体に嫌悪感、不快感 を抱いてる場合です。

●育児の経験不足 - 乳幼児の疾患、発達に関しての実母や義母などからの情報が無いために、育児に対する知識不足、経験不足になってしまう。それに反して、自分の好みのためには、幼児をペット化し、幼児のブランド物の服や靴には、おおきな興味をもちます。ただし、幼児の健康にはあまり関心がもてない場合が多いです。

●育児雑誌などから何ヶ月でどんな行動とあるのに対して、一喜一憂し、他の家庭の子の発達と比較したりします。育児雑誌、他の家庭との比較に熱心です。

●育児に縛られて自分の時間が持てないために育児から受ける被害妄想、育児での被害者意識 - 幼児の為、自分の時間が拘束、束縛されていると、幼児を逆恨みする場合などには、衝動的になると、虐待(児童虐待)にも、及ぶ危険性があります。

 

対策および治療

 

● 医療機関を出来れば夫(あるいは元・夫)と一緒に受診されて、夫の育児参加の必要性を医師によく説明してもらい、情緒の不安定さを少しでも和らげ、育児に対する孤立感を改善します。
● ご本人の両親あるいは夫の両親の協力が得られる場合には出来るだけ一時的にでも育児を一緒に過ごし、助言や援助を受けながら精神的な安定化を取り戻します。
● それでも情緒的不安定さや衝動性、抑うつ気分が改善されない場合には、抗うつ剤などの強いお薬以外の情緒的不安定さや衝動性、抑うつ気分を安定化させる、有効で副作用の少ないお薬を処方致します。

 

ただし、乳児の場合は母乳から人工乳への切り替えが必要となります。なぜなら、お薬が母乳から乳児への摂取に到り、乳児に副作用を及ぼす危険性があるからです。

 

 

産褥期精神障害(産後うつ病も含む)

 

概要および対処・治療

 

出産後には多様な精神的変調がみられます。出産後1週間以内に生じやすいマタ-ニティ・ブル-ズは日本では約30%の女性にみられます。涙もろさや気分の不安定さが生じますが自然に軽快する場合も多いです。

 

産褥期精神障害は困惑、焦燥、幻覚や妄想などが出産後、約2週間以内に急に生じる場合があります。躁状態やうつの気分を伴うことも多いです。産褥期精神障害では速やかに薬物療法(お薬の治療)を行うことも必要です。新生児に対する妄想を伴う場合には、新生児の安全を確保し、薬物治療により症状軽快後には育児援助も行われています。

 

産後うつ病は、出産後早期から数ヶ月以内に発症することが多いです。母親の約10%はうつ状態を経験しますが、正確に診断されていない場合も多いと思われます。育児援助やカウンセリングなども行いながら、必要な場合は副作用の少ない薬物療法も効果的と思われます。

 

考察

 

自治体によっては、公立保育園などで電話でも育児相談に応じるようなシステムにしているところも多いようです。また電話相談で頻繁にある質問に対しては、質問と様々な対応の仕方についてのパンフレットを作成し、市役所の担当部署や公立保育園の窓口で配布するといったことも実施されています。また直接に保健所や児童相談所、医療機関に、ご相談されるのも、とても有効と思われます。

 

当院では子育て不安、マタ-ニティ・ブル-ズ、産後うつ病の治療にも積極的に取り組んでいますので、お気軽に、ご相談ください。

 

当院では初めての方には、電話でご予約を頂き、ゆっくりと時間をかけて、お話をお伺いいたします。

再診(2回目)からは予約無しで受診出来ますので、スタッフ一同お待ちしております。

 

投稿者: 川崎メンタルクリニック 院長 高橋憲太郎

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